進撃の巨人 116話 天地 を読んで想ふ。【ネタバレ注意】
エレンの孤軍奮闘が…。
イェレナ「エレン…この女を信用するのは、あまりにも危険です。」
エレン 「ああ…信用してない。あの女と同じでな。」
エレンはほんのちょっと自分を偽ったように思います。
エレンが信用していないのは、ピークだけではなく、ジークもイェレナも信用していないような気がします。
この物語の登場人物は、みなそれぞれ誰かに依存したり、支えあったりしています。
実社会でもあたりまえのことではありますが、現在のエレン・イエーガーはそうではなく、まさに孤軍奮闘です。
といっても、孤独に過ぎて悲劇の道を歩んでいるようにしか見えませんが。
だからこそ、読者視点でいえば、エレンに味方がついて欲しいという感情もあります。
今回、ピークがエレンに共闘を持ちかけた瞬間もそうでした。
「ピークよ、孤独なエレンの味方になってやってくれ。」私は一瞬そういう感情で、ピークの言動を受け入れかけました。
しかし、すぐにそうではないと考えを改めます。
エレンの味方になるべきは、まずはミカサやアルミンたちであるべきです。そうでなければ物語が救われません。
ピークやライナーが同志となってもいいでしょう。しかし、先にエレンの理解者となるべきはアルミンたちでなければ…と思うのです。
そういう意味では、ピークがエレンに従わなくて良かった。
だけど…ピークも理解している通り、マーレなんぞに従属したまま死ぬなんぞは犬死にです。
ジーク、エレンの望みが見えないのでは、 ピークも、ライナーも進むべき道が見えないのでしょう。
ジークやエレンと志を共有できれば共闘する。いや、もしかしたら自分たちなりの方法論を持ったうえで、ジークやエレンを打倒しようとしているのかもしれませんね。
とはいえ、何もしなければ、マーレに従属したままでは、民族殲滅の道しか残っていないことは重々承知のようですから。
孤独なエレンの時代もそろそろ終わりそうな予感。
孤軍奮闘するエレンも悪くはありませんが、一応少年漫画ですし、そろそろ仲間との共闘も見たいところです。
今号では、アルミンがエレンの心境に気づいたかもしれない…もしくは、エレンの考えに近づきつつあるかもしれないと思わせる描写がありました。
イェレナはアルミン舐め過ぎです。
自分の英雄的状況に酔って倒錯気味のイェレナから、安楽死計画を聞かされたアルミンは、わざとらしい同調の態度をとりました。
普段のイェレナなら、おかしいと気づいたかもしれません。
あの時、アルミンは確信を持ったのだろうと思います。
「ポジティブの塊が歩いているようなエレンが、こんなにネガティブ計画に賛同するはずがない。エレンは自分が置かれた状況下でベストだと思える結果を導くために、自分以外の全てを欺いている。エレンが考えそうな策は…。そして、自分にできることとエレン以上に良い策は…。」
エレンとアルミンたちとの共闘は近いのかもしれません。
そして、アルミンの頭脳が主導していくことになるのかもしれません。
ピークやライナーには裏切ることなど出来ない、心強い仲間たちがいます。
エレンは忘れていますが、彼にだっているのです。
現在のエレンが置かれた圧倒的不利な立場。これこそが、エレンを孤独から救うことになるのかもしれませんね。