日本の携帯料金は高すぎるのか。官房長官の発言に想ふ。

どのような意図があっての発言なのだろうか。

「日本の携帯電話料金は高すぎる。4割は引き下げることができる余地がある。」

菅官房長官の発言だそうです。私個人は、消極的自民党支持者であることを前もって言っておきます。消極的支持というのは、他にまともな政党がない、自民党が一番マシという意味です。安倍首相に対しても、歴代首相の中でも最もマシな部類であると思って支持をしています。

しかし、菅さんの発言は、私には総裁選を前にした支持率を意識した発言にしか思えません。庶民の財布に直接的に繋がる携帯料金を引き下げるべく、努力していますよというアリバイ作りに思えてしまうのです。そして、私が自民党を積極的には支持できない最大の理由が、経済政策に対する不満にあります。私は自民党の経済政策には、日本の経済を停滞させてきた責任があると考えています。このような庶民に媚びた考え方が、果たして長い目で見た時に有益であるかどうか甚だ疑問に思います。

企業は、商人は、高く売れる物は極力高く売るべきだと思います。国がそれを阻害するのは、経済発展の足を引っ張る行為だとも思うのです。

しかしながら、私の意見に反対の人も多いでしょう。なぜならば、携帯電話という物が、現在においては、生活に無くてはならない必需品となっており、携帯通話環境は現代社会に必須の社会インフラと言えるからです。

では、何故に、それを理解している私が、携帯各社が高い商品を売り、契約者に多くの負担を強いることを支持するのか。

多様な商品から選択し、契約できることを知っているからです。価格の安さを優先するのであれば、いくらでも選択の余地があることを知っているからです。

具体例として、私の携帯料金を話しましょう。

私は底辺の人間です。決して豊かではありません。それでもスマホを持っています。大金を払わずともスマホが買えて、毎月の使用料金が支払えます。現代は多様な選択肢をもつ時代で良かったと、つくづく感じます。

私は楽天モバイルのいわゆる格安SIMを利用しています。2年契約で、毎月の支払いは、1980円です。スマホの機種はHUAWEI nova lite 2です。

スマホ本体価格は、現在2万円前後するようです。それに関しても、楽天で契約時に買えば、7000円くらいで済みました。そして、1980円という利用料です。2年契約で月々1980円というのは自分で選択しました。3年契約で、2年間は月々1480円という選択をすることも可能でしたが。

どうですか。高いですか。ボッタくりですか。

私はそうは思いません。「安ければ安い方が良い。」そんなことを言っている人は世の中を知らないんだと思います。この世の全ての商売、業種は、その価値に応じて適正な料金をもらい、適正な従業員給与も支払うべきです。ネット通販全盛の時代となりましたが、ヤマト運輸の従業員が、お客様から預かった大切な荷物を捨ててしまうという事件が何件かありました。あれなどは、適正な料金を貰わず、適正な労働力の配置が行われなかった典型的な一例だろうと思うのです。世の中にゼロ円の商品などありません。もしも、あったとするならば、それはどこかで誰かが泣いているのです。驚くほどに安い商品、安いサービスがあります。それは誰かが泣くことによって実現されているのです。ヤマト運輸の荷物を捨てた従業員も、心の中で泣きながらお客様の荷物を捨てたのだろうと思うのです。

みんなが豊かに、余裕をもって幸せに暮らしたければ、余裕のある働きをし、余裕のある給料をもらい、余裕をもって支払いをすればいいのです。そして、余裕が他人よりも多くある人は、より多くの支払いをし、付加価値のある高級品や高級なサービスを選択すればよいのです。

その選択の余地がない、多様性のない社会こそが、貧しい社会ということです。ちなみに共産国家が、これにあてはまりますよね。