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進撃の巨人 114話 唯一の救い を読んで想ふ。【ネタバレ注意】


ジークの思惑がわかった訳ですが…。


今回はジークの思惑と、そこに至る経緯が表現されました。

いきなりですが、ハッキリ言っちゃうと、全エルディア民族を滅ぼすことでユミルの民と世界を救うという非常にネガティブなものでした。

とはいえ、ジークにとってエルディア人のため、世界のため、それ以上の発想は出来なかったのでしょう。

何の罪もない圧倒的大多数のエルディア人を皆殺しにすることが正義だとは個人的には思えません。

むしろ、エルディア人が巨人能力を使って他民族を滅ぼす方が、弱肉強食の自然社会の法則としては間違いではないような気がします。

強い生命が生き残るのは自然なことであり、強いから他者を傷つけたくないと自滅を選ぶことは自然ではないように思います。

また、ジークがこのような選択をしたのも、実はエルディアのためでも世界のためでもないのかも知れません。

心に傷を負ったクサヴァーが半ば自殺の手段として獣の巨人となったように、ジークももしかすると両親から愛情を思うように得られなかったために、幼い心が大きく傷つき、集団無理心中の道を進んでいるようにも見えます。

幼いジークに肉親以上に大きな影響力を及ぼしたクサヴァー。

そのクサヴァーが、自分の行いを悔いて、死までの時間潰しのごとく巨人化学を研究しているようなネガティブな人物だったとは。

ジークの思惑がわかり感じることは、仮にも少年誌に連載される漫画において、このようにネガティブな志向が最終的に華開く訳がないということです。

今回のラストシーンにおいて、ジークもリヴァイも安否は定かではありません。

ですが、ジークは必ず討伐されることになるのでしょう。

問題は誰に殺られるかです。

それによってストーリーと作品に対する評価が分かれることになると思います。

ジークとエレンは対立する?


ジークは本作品上、最もネガティブな人物だと判明しました。

私個人は、知的生命体は自滅するのが宇宙の真理という基地外思想を有していますが、ジークはそのはるか上をいく自滅の引き鉄を直接引く実行犯という基地でした。

この物語のタイトルは「進撃の巨人」です。

前に前にと進撃をする巨人。エレン・イエーガーです。

この物語で最もポジティブなエネルギーを発散している人物かもしれません。

彼がジークの思惑に乗るとは思えません。

ジークの思惑を知ったうえで利用し、最終的には自分の思惑を貫こうとしているか。

もしくは、ジークのことを何も知らないか。

どちらにせよ、ジークと対立し、主人公らしく打倒をする可能性が高いと思います。

一応、少年漫画なんだし。

ところが…この作品の作風を考えれば、別の可能性もあり得るのが個人的には寂しいところです。

つまり、エレンはジーク共々、アルミンたちに打倒される。

エルディアと世界の希望の星となるのがアルミンである可能性も充分に考えられます。

ジークを倒すのが、アルミンであるか、エレンなのかで作品の雰囲気もガラッと変わります。

そして、どのような方法でエルディア民族と世界の未来を紡ぐのか。

アニの姿がヒントになるんじゃないかって勝手な妄想をしてます。

ジークの協力者とそれぞれの思惑。


ジークには過ぎたる知識を披露することが度々あったような気がします。

グリシャからも、マーレ軍からも得られなさそうな知識。

戦士隊長の身分に不相応な知識。

それらはジークの同志から得たものと勝手に想像をしていたのですが、少なくとも巨人とユミルの民についてはクサヴァーから譲り受けたものだったのかもしれません。

しかし、クサヴァーから得られる情報は、巨人化学に関するものだけでしょう。

ジークのバックには大物がいて、志を共有し目的達成のために協力を惜しまないと思っていました。

勝手な想像ですがヴィリー・タイバーが黒幕だと思っていました。

仮にそうだとするならば、民族無理心中を志してきたジークとともに、ヴィリーも自殺の意志を秘めていたのでしょうか。

ヴィリーの死までの描写を見ると、計画的自殺と考えても無理はないように思います。

そして気になるのが、ヒィズル国の思惑です。

ジーク、もしくはヴィリーが計画を明かしたうえで協力を求めた可能性があります。

計画を明かして協力を求めれば、ヒィズル国でなくとも乗ってくることでしょう。

全エルディア民族による無理心中が成功すれば、無尽蔵の地下資源を秘めると言われるパラディ島が空き地になります。

当然のことながら、それをいただくという約束はされていることでしょう。

事を為した後にパラディに残るものは、大量の地下資源を秘めた島と、ごく少数のマーレ人と、無理心中には加われないと思われる人間兵器アッカーマンです。

ミカサに異常に優しく執着するのも理解できる気がします。

ただし、全ては見当はずれな考えすぎの可能性が大に思えます。

今回を読んだ限りでは、最凶にネガティブなジークによる単独犯行であり、協力者がいるとするならば、今は亡きクサヴァー。

そう考えるのが自然と思える第114話でした。

あきんど外交のヒィズル国の思惑については間違いなさそうに思いますが…。