底辺ちゃんねる。

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上沼恵美子氏のM-1審査員引退と久保田、武智の暴言に想ふ。

上沼恵美子さんがM-1の審査員を辞めるそうですが…。


長年に渡ってM-1の審査員を紅一点で努めてこられた上沼恵美子さんが今回限りで辞められるそうです。

文字通りの紅一点、女性審査員として上沼氏以上に相応しい方が他にいらっしゃらないようなら、来年は男性審査員のみとなるのだろうと思います。

例年、一年の締めくくりとして行われるM-1グランプリですが、色んなことがあった2018年に相応しいM-1に図らずもなってしまった気がします。

とろサーモン久保田、スーパーマラドーナ武智、両氏の発言のことです。

芸能界の、漫才師としての、大先輩である上沼氏に対して大変汚い口調で公然と罵り、挙句の果てには更年期障害呼ばわりをしたそうです。

2018年はパワハラやセクハラで揺れた一年でした。

大坂なおみ選手とセリーナ・ウィリアムス選手の全米オープンテニス決勝では、セリーナ選手が主審を女性差別的だと声をあげて問題となりました。

件の主審が女性差別的だとは思いませんでしたが、今回の久保田、武智、両氏の発言は間違いなく女性差別です。

上沼氏を更年期障害と罵りましたが、更年期障害の女性はM-1の審査員をしてはいけないということでしょうか。

ひいては更年期障害の女性は仕事や立場が制限されるべきということでしょうか。

これこそが間違いなく女性差別的ですね。

全米オープンテニスとの違いは、審判と選手の立場が逆だったこと。そして間違いなく女性差別そのものだったことです。

武智氏は、相方の田中氏の不甲斐なさをよく詰っていますが、今回の件に関しては謝罪すべきでしょう。

発言内容が酷すぎて芸能人生にかかわるように思えます。

私は不寛容と呼ばれる社会を望んでいるわけではありませんが、今回の発言内容はあまりにも酷すぎて擁護する気がおきません。

久保田、武智、両氏の勘違いが甚だしい。


久保田、武智、両氏の暴言を生み出すもとになったものは、上沼氏の採点への不満でしょう。

上沼氏の審査員としての視点が偏向しているという不満であろうと思います。

愚かで浅はかで幼稚です。

なぜならば、人類は全員偏向しているからです。

M-1を観ていた審査員も視聴者も、全員が自分の趣味嗜好があり、独自の価値観があり、偏向して見ていたのです。

上沼氏だけではなく、全審査員が偏向する。誰がやっても偏向する。

だからこそ、七人の審査員がいるわけです。

偏向しないのであれば、一人の人間が審査員をすれば良いのです。

上沼氏だけでなく、全審査員が偏向していた。

しかし、上沼氏だけが偏向していると思いこみ、不満を持った。

それも本件が女性差別的に思える点です。

両氏にも言い分はあるでしょう。

「ミキが好き。」などと軽口叩いて偏向してたやないか!なんて言いそうですね。

お二人は芸人さんでしょう? 思ってもいない軽口叩いて商売してるんでしょう?

審査員だってそうですよね。全員が芸人です。審査っていったってスポーツの採点員のようにしかめっ面してやってはいないでしょ?

芸人らしく冗談も交えながらやってるんでしょ? 芸人が芸人の軽口を本気に捉えてどうすんの?

上沼氏は長年M-1の審査員をやってこられました。だからちゃんとわかってらっしゃるんですよ。

自分は漫才の審査をする。

だけれども、審査員としての自分は視聴者から厳しく審査をされている。

密室で審査しているのではなく、衆人環視の中でやっていることです。

社会の目を意識しながら不正や贔屓などなく審査をしていると思います。

上沼氏は番組冒頭のあいさつで毎年のように、「去年の私の審査が批判されてる。」みたいなことを言うでしょ。

決して唯我独尊な人物ではなく、周りの、世間の意見を気にしている証左でしょう。

ちゃんと審査はしているはずですよ。

もう一度言いますけど、個人的好き嫌いなどによって偏向しているのは、上沼氏だけではなく、全審査員、全視聴者、そして全人類ですよ。

不満を持つポイントと、不満を言う相手を間違えている。


全ての人間は、個人の価値観、趣味嗜好により偏向する。

だからこそ、採点競技などでは複数の視点から平均点を出す。

久保田、武智、両氏が不満を持つならばポイントがズレています。

疑問を呈する相手も間違っています。

不満を持つのであれば、一個人に対してではなく、システムに対して持つべきです。

疑問を呈し、文句を言いたければ、そのシステムをつくり運営している人たちに言うべきです。

両氏が言わないのであれば、代わりに私が言います。

上沼氏が大きな問題となるほどに偏向しているとは私は思いません。

毒舌女性芸人なので、口ではなんだかんだ言いますが、採点は常識的に思えます。

志らく氏もおっしゃっていましたが、かつて立川談志氏が審査員を務めたことがありました。

50点という超低得点を付けたそうです。(私は観たと思うが覚えていない。そもそも談志氏が0点とか出しかねない人物でしたよね。)

人間は全員偏向している。とはいえたった一人の大きな偏向によって取り返しがつかないのも問題がある。

ですので、スポーツ界の多くの採点競技で行われている、最も高い採点と最も低い採点を切り落とすというルールに変えるのがより公平ではないかと考えます。

審査員の中には、演者によっての得点差をあまりつけない人もいます。それはそれで問題だと思います。

最高点と最低点をカットすることで、審査員もよりダイナミックに採点することが出来るようになるのではないでしょうか。

芸人は客が偏向していることなどわかっているはずですが…。


芸人さんは舞台に立ってなんぼでしょう。

舞台の前には客席があり、様々な人たちが観ています。

例えばカミナリが漫才をしていたとします。

大爆笑する若者もいれば、バチバチ突っ込む姿に顔をしかめるお婆ちゃんもいることでしょう。

いろんな人がいて、いろんな受け取り方をされる。

本来、志向したように受け取ってもらえないことも多々あることでしょう。

そんなことは芸人さんが一番知っているはずなんですが。

それとも審査員をリスペクトしすぎて人類を超越した採点マシーンか何かだとでも思っていたのでしょうか。

 

久保田氏については、スカシ漫才の時代から好きだったので残念ですが、元来のクズキャラが本当のクズとしての認知になってしまったかもしれません。

武智氏も、近年、スーパーマラドーナが安定して面白かったので非常に残念です。

二人のダメージは大きいのでしょうね。

芸能界で、漫才界で、そして日本社会で、大先輩に対してあんな口をきいて許されるものなのか。

そして、相手が誰であろうと、更年期障害を口汚く罵ったのは許されないことだと思います。

両氏がどう思っていようと、上沼氏は世間の視線を意識しながらM-1の審査員を公正に務めていたのは明白です。

しかし、両氏はネット番組とはいえ生放送での醜態、暴言三昧は世間への意識が低すぎましたね。

上沼氏は辞める必要などない。


両氏の発言と、上沼氏の引退宣言の因果関係についてはわかりません。

しかし、両氏の発言や、世間の反応を気にしてのことなら辞める必要などないように思えます。

女性審査員は必要だと思いますし、もっとも相応しい女性芸人だと思いますし。

ネットはとやかく言いますが、本来審査員は歯に衣着せぬ調子でやればいいと思います。

人間の思考、意見、そんなものは偏って当たり前。

採点競技のように厳密に採点基準が設けられたうえで、訓練を受けた専門家が採点をしてもバラつくのですから。

M-1の審査員が、世間の批評を必要以上に気にせず、堂々とダイナミックに採点をして欲しいです。

そのためにも先述のような採点方法の変更など、主催者側にもやるべきことがあるように思えます。

上沼氏が言うような、今後ますますの隆盛を極めるためには、システムをもう一度見直して、よりフェアでより透明性の確保できるカタチつくりに再度取り組んでみてはいかがでしょうか。

視聴者も、我々ネットで好き勝手主張する人間も、それを求めているように思うのですが。

 

上沼氏が辞めてしまうと、低得点に沈んだコンビに対する救いの手は誰が差し伸べるのでしょうか。ただ沈んだだけでは目も当てられなくても、公開説教を喰らうことでしばらくおいしくネタにしている場合も見てきたように思うのですが。