底辺ちゃんねる。

底辺住民の暮らしぶりと思考を晒します。

闇営業問題について最後に想ふ。

これで最後にしようと思います。(たぶん)

マスコミの報道を見ていて、「どうなの?」と突っ込みたくなることは多々あります。

例えば、市川海老蔵暴行事件などは典型的な事例でした。顔面を骨折するほどの暴行を受けながら、TV各局は「犯人は優しいいい子。」「海老蔵が悪い。」と右へ倣えで犯人を擁護し、海老蔵氏の責任を問う報道に終始しました。

普段は何があっても手を出してはいけないというのがTVの論調のハズなのに。

何故、暴行事件の被害者である市川海老蔵氏が社会から袋叩きに遭い、元暴走族の半グレが賛美されているのか不思議でなりませんでした。

しかも、各局が論調を合わせる不思議。この国はどうかしてるんじゃないか、そう思ってしまいました。

今回の闇営業事件についても、報道姿勢に大きな違和感を感じずにはいられません。

本件の発端はFRYDAYでの報道に始まります。

FRYDAYの報道に出てくる登場人物で最も悪い人間は誰か。どうも、世間では、「入江だ!いや、宮迫が悪い。口裏合わせやがって!」なんて論調のようです。

開いた口が塞がりません。最も悪い人間は詐欺グループの人間に決まってます。

年老いて判断力の弱くなった日本中の高齢者たちを騙し、老後の貯えを奪った極悪非道の輩たちです。

FRYDAYによりますと、芸人たちは詐欺集団であると知っていたそうです。そのように自称「元」詐欺師がFRYDAY誌上で語っています。

お笑いです。詐欺師の言う事を信用するとは。(笑) 嘘をつくからこそ、騙すからこそ詐欺師なのに、普段は詐欺師のいう事を信用するな、気を付けろと言いながら、都合によっては彼らの言い分を信用する。

FRYDAYに「元」詐欺師が語ったところによりますと、「自分たちは詐欺やってます。」てなことを芸人たちに言ったらしいですね。

爆笑です。人を騙す商売人が、最も言ってはいけない真実を言いましたか。(笑) 素人目に見ても詐欺師失格です。(笑)

FRYDAYも、それを信じる読者も、詐欺師に騙されてやしませんか。いや、FRYDAYも読者も信じたいんでしょうね。それが都合が良いのでしょう。

FRYDAYは記事が話題を呼び、販売部数が伸びればそれで良し。読者は誰がやらかして、それを正義の鉄槌で叩きのめすことが出来れば自尊心が満たされて気持ちいいんでしょうね。

ところで鉄槌で叩きのめすことは正義の行為だとは思えませんけどね。

今後、同様の事件が起こっても報道されないかもしれない。それこそを本当に恐れます。

今後似たような事件は起こる可能性はあるでしょう。

ですが、恐らくは今後は報道されないのではないでしょうか。何故なら、今回の件で芸人たちが叩きのめされた事によって、今後は著名人が犯罪組織に屈するようになるでしょうから。

写真週刊誌にネタを持ち込むと金になるそうです。今回でいくらくらいでしょうか。あくまでも無知な私の個人的推測で、200~500万円くらいでしょうか。

「元」詐欺師の欲しかったものは、本当に数百万円程度のはした金でしょうか。

FRYDAYにネタを持っていく前、芸人たちを脅したであろうと想像します。

写真週刊誌に持って行っても数百万にしかならないが、芸人たちを脅せば億単位の金が取れそうな案件です。

ですが、仮に一億と話がついても、それで終わるとは思えません。相手は生粋の極悪集団ですから。一度弱みを見せればしゃぶりつくされることでしょう。

だから今回の件では芸人たちは屈しなかったのではないでしょうか。

しかし、今回の事件で裏社会は大きな収穫を得ました。反社会勢力との交際がバレれば叩きのめされるという前例を得たのです。

今後はハニートラップをたくさん仕掛ければいい。そして、「実は私は反社でした。」なんて明かして脅せばいい。もう写真週刊誌に出たりはしないでしょう。リスクを考えれば屈することになるでしょう。

FRYDAYや我々読者は、反社会勢力の今後の飯のタネを作ることに協力してしまったのかもしれません。

反社会勢力との付き合いを紳助氏の件と重ねる向きもあるが。

かつて、島田紳助氏が反社会勢力との交遊で芸能界から追放されるような形となりました。

本件をそれと重ね合わせる向きもありますが、全く一緒にはいきません。

まず、紳助氏が交遊があったのは暴力団組織です。暴力団の商売道具は看板です。昔は事務所の入り口に、堂々と組看板を掲げていました。

「ワシは~組の誰々じゃい!いてまうぞワレ!」これが飯のタネでした。暴力団であることを名乗り、脅すことで飯のタネとしていました。

そんな暴力団には、虎の威を借る狐が取り巻いたのです。暴力団との付き合いとは、彼らの威力を借りたいという下心があってのことです。

もちろん、暴力団員と知ったうえでの友誼であり、暴力団員でなければ意味がないというものだったでしょう。

紳助氏も、巨大暴力団組織の大幹部だからこそ、誼を結び虎の威を借りたのでしょう。

暴力団の飯のタネが脅しであったなら、詐欺師の飯のタネは騙しです。嘘が飯のタネです。

一般的に詐欺師というのは立派な身なりをして紳士的であろうかと思います。暴力団員のような風体で金をせびっても警戒されるだけです。

偽物の名刺を持っていることも一般的でしょう。で、当然のことながら、詐欺師の話の内容は全部嘘です。ご存知ですよね。

詐欺師と付き合いのある人は相手が詐欺師であることを知らない。暴力団員は自分の所属する組や地位に価値があるが、詐欺師は本当の自分がバレないこと、嘘がバレないことに価値がある。

暴力団と詐欺グループを反社会勢力とひとまとめにして語ってしまっているのは、紳助氏が追放されたんだから、今回の芸人たちも追放されろという願望からきた誤った考え方なのではないでしょうか。

自尊心を満たしたい気持ちはわかるんですが…。

人間は誰しも自尊心を満たしたい。自尊心が傷つくと攻撃的になって空き缶を蹴飛ばしてしまう。そんなことでは満たされないから他人を攻撃して自尊心を満たそうとする。

人間なんだからしょうがないとは思います。だけれども人間です。知性が高く、理性も伴っているはずです。ならば、本能に支配されることなく、理性で抑えることも可能なはずです。

やらかした人を見つければ、正当性を持って攻撃をすることが出来るのかもしれません。

ですが、先日の俺スカのセリフでもあったように、正義とは剣ではなく盾であるべきだと思います。

いくら正しくても、正当性を持って他者を攻撃し傷つけるというのであれば、それは正義とは言えないと思います。

人間誰しも過ちは犯します。

そうした際に、非難を浴び叩きのめされるような社会では息苦しくて仕方がありません。そのような社会を我々が形成してしまっているというのであれば、自らの首を絞めてしまっているのかもしれません。

日本は落伍者の多い社会と言えるかもしれません。行軍でも、マラソンでも、部活でも、習い事でも、厳しければ厳しいほど落伍者が増えます。

自殺者や引きこもりの多さを嘆くのであれば、言い訳くらいさせてあげられる寛容な社会にすればいいのにって思います。

誰しもが、今回の芸人さんたちのように攻め立てられる立場になる可能性があります。

詐欺師たちは非難を浴びて当然です。ですが、芸人たちは皆さんが攻め立てるほどには悪いことはしていないはずです。

ネット上の声では、「親戚が金を騙し取られた。責任を取れ。」などという詐欺グループの詐欺行為の責任を芸人たちに求めるという無茶苦茶な要求も複数見かけました。

現時点で芸人たちが犯した罪と言えば、ギャラを受け取ってないという嘘の釈明をしたことくらいかと思います。税務申告をしたかは、また別の話になりますが、刑事でも民事でも訴えられるようなことは何一つしていないはずです。

それにしては世間の私刑の要求は重いようです。そして実際に大きな罰を与えられています。

今回は運も悪く、対応も悪く、芸人さんたちがまるで詐欺行為を行ったかのように非難を浴びていることに驚きます。

ですが、これを読んでいるあなたや私が、いつ現代日本社会における生贄の祭壇に祭り上げられる日が来るかわかりません。

多分なんですけど、そうなったときに受ける心のダメージは、私よりも普段叩き行為を行っている人たちの方が大きいように思います。

今のうちにやめません? 立場逆転時には自業自得ってなっちゃいますよ。

成熟した社会を実現させるには、成熟したマスメディアが必要。

今回の報道も、何故右へ倣えなんだろうかっていう疑問は感じます。

詐欺師から金銭を受領することが悪いのであれば、詐欺師に金銭を渡すのも悪い事なのではないかと疑問を抱くのは私だけなのでしょうか。

詐欺師の言い分を記事にして、まるで詐欺師たちの代弁者であるかのような報道をすることに疑問を呈する姿勢は何故ないのでしょうか。

人は皆、別の人格を持っていて多様な物の見方をするのは当然なのに、海老蔵殴打事件と同じく報道が杓子定規なのは何故なのでしょうか。

詐欺を行ったのは詐欺師であるのに、その詐欺師の言い分を信じたうえで、詐欺とは何の関係もない芸人たちに詐欺被害の責任を追及するような馬鹿げた声まで聞こえてきます。

成熟した社会を実現させるには、成熟したマスメディアが必要。

現在の本件に対する狂騒ぶりを見ていると、卵が先か鶏が先かというような事を感じてしまいます。

芸人たちが詐欺集団の宴会で営業したのが罪ならば、詐欺集団の望みに応じて報道をするのは罪ではないのでしょうか。

芸人たちが犯罪組織と付き合っていたことになるのであれば、FRYDAYも同様なのではないのでしょうか。

そして、芸人たちがギャラを受け取ったことを悪だというのであれば、詐欺師にギャラを渡したであろうFRYDAYはもっと悪いのではないのですか。

芸人たちを庇いやがってと思われることは目に見えていますが。

個人的には、芸人さんたちを叩くつもりもなければ、擁護するつもりも毛頭ありません。

芸能人が不倫しようと、闇営業しようと、離婚しようと、興味がありません。何かを語る価値も感じません。どうでも良いことです。

しかし、日本社会の行く末は気がかりです。社会は生き物です。変質をしていくのは当然のことでしょう。

ならば、良い方向へ進んでいって欲しいと思うものです。

メディアはそれに直接的に大きく関与していると考えます。

メディアは社会の鏡などと言いますが、社会がメディアの鏡になることは断じて許されないと考えます。

メディアが扇動し先導することなどあってはなりません。

民主主義社会においては、政府や行政の監視をすること以上にメディアの監視が重要であると思います。

メディアは政治権力を必要以上に畏怖しているようですが、私から見ればメディアの方が遥かに強大な権力を持っているように見えます。

ペンは剣よりも強しです。メディアの在り様、ペンの振るい方次第では社会を転覆させることだって可能でしょう。

報道に携わるものはそのような心構えを持っていなければならないと思います。

今回の件のFRYDAYの姿勢は決して感心できるものではないように思います。

芸人風情が何をやらかそうと日本の未来に暗雲が漂うということはなさそうです。

しかし、報道機関が半グレや詐欺集団の代弁者と化すなどあって良いはずがありません。

芸人たちの対応はまずかった。しかし…。

自己防衛のために嘘をつくなど、マズい対応で印象を下げたのは間違いありません。

ですが、犯した罪は小さすぎます。彼らは人を殺してもいなければ、お金を騙し取ってもいません。

税務申告をしていなかったかもしれません。が、それはまた別の話です。税務署が動けばいい話です。

罪には相応しい罰をと考えますが、罰が過大すぎるように思うのです。

現代社会は、裁判官も裁きがいのない世の中なのかもしれません。

「被告人は既に社会的に制裁を受けており~」なんて言って情状酌量ばかりで裁きがいがない。せっかく裁判官になったのだから、ビシッと重い罰を言い渡したい…だけど、ネットが社会が既に私刑をたっぷり与えてるから情状酌量せざるを得ない…なんて裁判官が嘆いているかもしれません。

人間は誰しもやらかします。

自己防衛くらい、自己の正当化くらい、言い訳くらいさせてあげればいいと思うのです。

「自己正当化するな。言い訳するな。」と会社の上司が言ったとします。この後上司は何をするのか。ノーガードになった精神をサンドバッグのように叩きのめすのです。

そして部下の自尊心を貪り食うのです。その際、上司は自分の正当化はするのです。

「部下がやらかしたのが悪いのだ。」「自分は正しく職務に当たっているだけだ。」

私は思います。この後、部下が自殺をした場合、上司は殺人罪に問われるべきだと。体を傷つけるのと同様に、精神を痛めつけた場合も傷害罪に問われるべきだと。

人間が自己の正当化をするのはザックリと大きく分ければ2パターンのような気がします。

ひとつは自尊心を防衛するため。もうひとつは、後ろめたいことを行うとき。

自尊心を護るための自己正当化や言い訳はさせてあげればよいと思うのです。自殺されても困るでしょ。

もうひとつなんですけどね。自己正当化して後ろめたいことを行うのはどうかと思うんです。

「あいつは悪いやつだ。だからイジメてやれ。俺は悪くない。あいつが悪いんだ。」

正しいんなら攻撃しなくていいじゃないですか。他者を攻撃して傷つけちゃったらちっとも正当性を感じないじゃないですか。

正義は剣ではなく盾であるべきですね。

最後に…。

如何に自分がズレているかは自覚しているつもりです。

自分が基地外であろうことにも自覚症状があります。

しかしながら、他者に厳しく、断罪を望み、世知辛い世の中を形成して首を絞められるのは我々自身ではないですか。

日本はいつからこんなにも他者の弱みに付け込んで傷つけることに必死な社会になっちゃったんだろう。

昔は弱者がいれば村全体で守るような国だったハズ。

結婚できない人間がいれば、周囲が何が何でも結婚相手を探してくるような社会だったハズ。

穏やかな村社会なんて今や昔にも程があるか。日本人の民族性なんてとっくの昔に変貌を遂げちゃってる。

だけど、変貌を遂げちゃった人々が旧世代の「民度」なんてものを誇る時代になっちゃった。

誰も見てないブログで良かった。殺されかねない気がする。