交番襲撃事件の容疑者に想ふ。
充分な情報はないんですけど。
ニュースによると、本件の被害者である巡査は、未だ意識がない状態ではあるものの快方に向かっているそうです。
このまま無事に回復されることを祈るばかりです。
そして容疑者については、情報は少ないのですが、精神障害者であることは間違いがないようで、大人になってから病気になってしまったのかなとも思われます。
少ない情報の中にも、もしかしたら妄想性障害なのかな?と思われるフシもありました。
私の近しい人に、妄想性障害と診断された人がいます。
その人はやさしい性格をしており、攻撃性はないのでこういう事件を起こしたりするような心配はないのですが、症状としてはやはり大変だったりします。
その人の症状について書いてみたいと思います。
しばらく前に、清原和博氏の覚醒剤中毒が話題になりましたが、症状としては近い部分もあります。
その人物は常に監視されていると感じていました。
しかも、監視しているのは国際的な諜報機関や国連などであり、国際的な陰謀により自分は常に生命の危険に晒されていると思っていました。
その人物の口からは、自分の命を狙う人物として、プーチンや安倍首相の名前も出ていました。
「そんなことはない。残念ながらあなたは70億分の1の価値しかないちっぽけな人間で、国際的な指導者や組織が命を狙う価値なんてない。だから大丈夫。」
と、ちょっとキツめに諭しても全くダメ。
「秘密を明かすんじゃなかった。本当のことなのに誰も信じてくれない。」と本気で嘆くだけでした。
その人にとっては紛れもない事実なのであって、常に命が危険に晒され精神的に追い詰められていました。
その人は、自宅のテレビに、パソコンに、カメラが仕掛けられていると思っていました。
すべての会話は盗聴され、そして自分の目は国際的な組織に乗っ取られていると本気で信じていました。
自分が見たものは全てプーチンも見ている。
自分はかつて世界的な組織の人体実験の道具であり、自分の体にはチップが埋め込まれ、体は改造され、プーチンたち世界の指導者が自分を抹殺しようとしている。
余りに馬鹿げた話です。誰も信じません。しかし、その人にとっては紛れもない事実なのであって、常に自由もなく追い詰められて生きていました。
しかし、攻撃に転ずることもなく、ただ怯えて暮らす日々です。正直、かわいそうとしか言えません。
その人は妄想性障害と診断されましたが、障害者手帳など持ってはいませんでした。
今回の事件の容疑者に、どのような症状があったのかはわかりません。
ただ思うこと。もし、重い障害があって、それが事件を引き起こしたのならば、それを慮ってあげて欲しい。
そして、全国にたくさんいると思われる精神疾患を持つ方々に偏見の目が向けられるようなことは避けていただきたい。
妄想性障害のような疾患を患う可能性は誰にだってあります。
ちょっとした精神的なショックを受けたことがきっかけで引き起こされることもあるようです。
精神的なショックで、脳の機能の一部が壊れることだってあるようです。
被害に会われた巡査の回復と、容疑者の症状に対する慎重な配慮を願います。
このような事件が起こると、事件を起こしそうな疾患者は軟禁状態にすべきだなんて論もあるでしょうが、たとえ障害があっても、なにも事件を起こしていない人の人権が守られる社会であって欲しいと思います。