底辺ちゃんねる。

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大谷翔平の復帰登板に想ふ。

三か月ぶりのマウンドに。


大谷翔平選手が投手としての復帰登板を果たしました。投手として、との注釈を付けなければならないあたりが唯一無二の大谷らしさですね。六月六日のロイヤルズ戦以来ということで、約三か月ぶりのMLBマウンドへの復帰です。とはいえ、50球という先発投手としては半分での球数を目安とした登板。事実上の調整登板だったと言えるでしょう。

しばらく前から、実戦形式の練習のマウンドには立っていたようですが、MLBの舞台で調整登板とはちょっと普通ではありません。これにはいかにも大谷選手らしい事情があるようです。

普通は投手がケガをすると、故障者リスト(DL)に入ります。MLBのベンチから外れる訳です。試合に出られる状態ではないのですから当然ですよね。そしてケガの治療に専念し、リハビリを行い、練習に復帰し、可能になればマイナーリーグで調整登板をするのです。MLBで投げられる状態まで回復したら、本格的に復帰をするのです。

ところが、大谷選手はケガで投げられない間にも、DHの中軸打者としてチームに貢献していました。これでは故障者リストに入れる訳にはいきません。まさしく大谷翔平らしい唯一無二の理由で、MLBの舞台で調整登板を行うことになった訳です。50球という制限があることから、リリーフかなとも思ってしまいます。ですが、ブルペンという試合展開次第で登板できるかどうかわからないポジションに、中軸打者を置くわけにはいきません。投げる機会があるかわからない。そのために打つ機会を無くしてしまうわけにもいかない。とても悩ましいジレンマが発生してしまいますね。

現状、相手の先発投手が左投げの場合は、ベンチを温めるケースが多いようです。そのようなケースで登板、という手もあるかとは思いますが、球数を制限しながらローテーションを守るというのがエンゼルス首脳陣の考えのようです。先発投手が50球制限となると、ブルペンが大変そうですが、これからの時期はブルペン陣を増やせますので問題ないと言うことでしょうか。

ファンの心境の変化。


三か月間に渡って投手としては休業状態だった大谷選手。その間に、我々ファンの心境の変化があったように思います。今期開幕前、私はこう思っていました。

投手大谷翔平は、自分のピッチングさえ出来れば通用する。打者としては受動的な立場に立たなくてはならない。MLBの投手にアジャストしなければならない。時間がかかるのではないだろうか。

同様の考えを持っていた方は多かったであろうと思います。投手として、打者として、どちらの大谷選手がより優秀かと問われれば、投手だと自信を持って答えていました。今はその答えに自信を失いつつあります。打者としての大谷翔平が、ここまで優れた成績を一年目で残すとは思っていませんでした。ケガのせいもありますが、投手として予想された成績よりも、打者として残しつつある実績が上回っている現状に驚きを禁じ得ません。そして、三か月ぶりのマウンドという祝うべき日においても、今日は打者大谷が見れないのか…という喪失感も同時に味わうことになるとは思いませんでした。

ポテンシャルの怪物。


動画サイトにて大谷選手関連の動画を見ていると、楽天の選手たちが日ハム時代の大谷選手のバッティング練習を見物する動画を目にすることができます。センター方向に大きな放物線が描かれた後、よほど衝撃的な打球だったのか、松井裕樹投手が衝撃的な変顔をするシーンが見れます。(失礼)わたしなどからすると、普段からプロ野球選手の打球を見慣れているでしょ、ギータや怪力の外国人選手たちの打球を見慣れているでしょって思うのですが、どうやらそうでもないらしいですね。いくら大谷選手が日本でフィジカルオバケだったとしても、MLBには遙か上をいく化け物がいっぱいいる。そう思っていました。ところがそうでもないらしく、MLBの選手や関係者から見ても、衝撃的な変顔をする価値があるらしく、(失礼)大谷選手の打撃練習は見物人が取り巻くそうです。そして、遠征先の球場で最長不倒距離を更新しているようです。

実績を積まれた先人と比較をするのはおこがましい気もします。しかし、松井秀喜氏と比較をしても、持って生まれたスケール、ポテンシャルは大谷選手の方が遙かに上をいっているように感じます。もちろん、実績を積み重ねて、証明をしていくのはこれからです。まだ24歳の若者です。長い時間をかけて、その持って生まれたポテンシャルが本物であることを証明していけば、MLBのスーパースターとなり、野球殿堂入りすることだって容易に思えてしまいます。怪我無く、野球人生を謳歌して欲しい。そしてそれを見続けていきたい。私のような人間にもそんな楽しみを与えてくれる存在。もしかすると大谷翔平という人物は、エンターテイメント的にも、日本の漫画やアニメ、ゲームといった世界に誇るコンテンツすら、超越してしまえる存在なのかもしれません。

大谷翔平がいかに凄い素材であり、凄い選手であるか知っているつもりでいました。日本のスポーツ史上最高の素材だと評価していました。それでも、私はの評価より上にいたようです。想像の範囲から逸脱してくれる怪物。そんな人物と同時代に生き、見物できることを幸せに思います。

 

ところで、肝心の復帰登板のボールですが、直球中心の組み立てでしたが、いつも通りとはいきませんでしたね。チカラもなかった。しょうがないですよ。本来ならマイナーにいる頃ですから。

それより今年は20本打って欲しい。現在15本。大谷にホームラン打たれた顔ぶれ見て下さい。ありえないでしょ。