底辺ちゃんねる。

底辺住民の暮らしぶりと思考を晒します。

金足農 吉田輝星投手の進路問題に想ふ。

マスコミのタチの悪さは社会の縮図か。


夏の甲子園を沸かせた金足農の吉田輝星投手の発言が波紋を広げている。

好きな球団は?  「巨人です。」

巨人に生きたい? 「行きたいです。」

誰がどうみても報道陣による誘導尋問である。このやりとりで吉田輝星投手は、高野連から厳重注意を受けたという。真に注意をすべきは、報道陣であることは明確だ。コンプライアンス?そんなものを高校生に教える暇があるのなら、コン〇ームの付け方でも指導した方がまだマシかもしれない。無知であって当然の若者に、コンプライアンスなどというものを求めて萎縮させるよりも、素直な受け答えのほうが若者らしく好感がもてる。上記のやりとりは、ただ聞かれたことに素直に答えただけであって、しかもその返答者は、何ら社会的立場も責任も負わない高校生によるものである。これを問題視するのであれば、社会の方がおかしいと言わざるを得ない。また、この発言を引き出したインタビュアーが読売系の人物だったとしたら、野球協約に抵触したりはしないのだろうか。

この誘導尋問において、いかなる発言を吉田輝星投手がしようとも、それは自由意思の表明でしかない。高野連の注意勧告は、自分の意思を表明する権利が高校球児にはないと言っているに等しい。それは組織的なパワハラであるだけでなく、明白な人権侵害である。

昨今、パワハラ問題が表面化することが多い。当然といえる。日本社会全体がパワハラ問題をずっと昔から内包してきた。あまりに日常的すぎて、自分たちがの行いがパワハラであるということを自覚していない。そうして行われている日常が表面に出てきただけなのだから。

未来ある若者の意志の表明すら許さない高野連教育機関のフリは完全なる偽善といえる。若者の未来よりも高野連のイメージを守ろうとする姿勢からは教育者の顔は見えない。

大学内定報道。


この報道によって最も損をしたのは、八戸学院大学なのではないでしょうか。今年の春には吉田投手の進学が内定していたようです。つまり、吉田投手が巨人その他のプロチームに入団すれば、スター学生を逃すことになる。そして、無事入学してくれたとしても、若者の進路選択の自由を奪ったという印象を拭い去ることはできません。本人が巨人に行きたいと希望を明かしてしまった訳ですから。

では、吉田輝星投手は今後どのように行動し、進路を決定すればよいのでしょうか。そんなものは単純です。本人の好きなようにすれば良いのです。本人が進みたい道に進めばよいのです。若者が自由意思によって進路を決める。それを阻害することは何人たりとも叶いません。あってはなりません。日本は自由と民主の国ですから。

ところが報道によると、八戸学院大学は今まで通り入学してくれることを望んでいるようです。望むのは勝手です。プレゼンテーションもやりたきゃやれば良いでしょう。ですが、進路決定は本人がします。何人たりとも決定に干渉すべきではありません。その決定に対し、金足農からの入学の門を閉ざすなどのペナルティーを与えるのも間違っています。それは組織的なパワハラであり、18歳の少年にそのような巨大な重荷を背負わせることは重大な犯罪行為だと考えます。

報道では、八戸学院大野球部監督から受けた恩を返さないといけない。金足農と八戸学院大の良好な関係を壊すわけにはいかない、などの大人の都合があるようです。大人の都合が若者の人生を狭める。そんなことは決してあってはなりません。それこそ、パワハラであり、人権侵害です。そして、金足農も八戸学院大も、若者の進路選択の幅を広げるため、夢を叶える手助けをするために存在している教育機関です。マスコミが報道している内容が誤報であり、両校は吉田輝星投手の夢と希望と自由意思を尊重していることを願います。

しかしです。報道とはなにか。教育とはなにか。そういう基本的な精神を、現代日本人は忘れすぎてはいませんか。しばらく前に日本人はエコノミックアニマルなんかじゃないって記事を書きましたけど、こういう面においてはエコノミックアニマルだったりします。本質を本分を忘れて損得勘定にはしる。みたいな。どうせならちゃんと純粋な経済の分野で、エコノミックアニマルぶりを発揮してくれれば嬉しいのですが。

 

最後に、大事なことを言い忘れてました。生粋のアンチジャイアンツですので。誤解なきように一応ね。