芸人に最低賃金を…との声に想ふ。
闇営業問題は収まる気配がないですが。
闇営業問題では、何度か思うことを書きました。
吉本芸人が詐欺グループの宴会で闇営業をしたことに想ふ。 - 底辺ちゃんねる。
闇営業って言葉の独り歩きと報道の責任は…楽しんご氏の記事に想ふ。 - 底辺ちゃんねる。
スリムクラブまで闇営業で処分されたことに想ふ。 - 底辺ちゃんねる。
あまりに何度も書いたもんで、これが最後だって気持ちでも書きました。
とにかく何度も書いたのに、事態は収拾するどころか吉本社長の謝罪会見まで行われ、沈静化どころか吉本興業の分裂さえも起きかねない状況となってきました。
黙っておこうと思いながらも、思うことがあり過ぎます。私は芸人ではないのですが、ツッコミどころが多すぎます。
芸人に最低賃金！？ふざけてます！？
今日はとりあえず、芸人にも最低賃金を…というふざけた声に対して言いたいことがあります。
まず、「芸人に生活できるギャラを支払えない事務所のせいで闇営業をしなくてはいけない。」という声があり、「芸能事務所は最低限生活を出来る賃金を支払うべき。」という世論に発展しているようです。
それに乗じて、「芸人にも最低賃金を。」という都合の良すぎる声をあげる芸人がいるようです。ふざけるのも芸人の仕事なのかもしれませんが、冗談にしてもタチが悪すぎます。
貧しい芸人さんが最低賃金を貰える方法を教えて差し上げます。
労働者になれば良いだけです。たったそれだけです。労働者になって汗水たらして働けば、労働基準法に基づいた待遇を求めることが出来ます。もちろん、最低賃金が貰えない場合は、労基署なり裁判所なりに訴えれば間違いなく勝てます。
だけどあなた方は、汗水たらして労働をして、年収数百万という生活に魅力を感じられないのでしょう？
だからこそ、人を笑わせてあわよくば億単位の収入を得ることを夢見ているのでしょう？
一攫千金の夢を追いつつ、最低賃金を保証して欲しいだなんて都合が良すぎてガチでふざけんな！って頭に来ます。
しかしながら不思議なことに、ネット上の声を見ていると彼らを擁護する声が溢れています。
私は今まで、日本は人口比率的に労働者が圧倒的に多いと思っていました。どうやら間違いだったようです。ネットの声を見る限り、日本には労働者は殆どいないようです。
一攫千金の夢を追いつつ、最低賃金も保証して欲しいという、いいとこどりのふざけた欲求に対しては、労働者は腹が立つのが普通だと思いますから。
夢を追うなら追えばいい。だけど成功を得るまでの道は険しい。芸人だけじゃないはずですよ。
それなのに、夢を追いながら最低賃金が欲しいなどと甘っちょろいこと言える感性だから、くすぶってるという面もあるのかもしれませんよね。
もう一度言います。最低賃金が欲しけりゃ労働者になって働きたまえよ。労働をせずに最低賃金くれとか都合が良すぎますよ。
彼らは自分の首を絞めていることに気づいているのだろうか。
ところで、芸能人にも最低賃金を保証するべき…なんて風潮になってしまうと、彼ら自身の首を絞めることになるのは理解しているのだろうか。
吉本興業の所属芸人は6000人を超えるそうですが、売れない芸人を全員食わせることなんて不可能です。
そうなると、最低賃金を保証してくれなんて言ってる人たちは全員クビになることでしょう。
吉本に入って夢を追うことは出来なくなります。どうしても夢を追いたいのならば、芸人を自称して、フリーでストリートライブをやることになるでしょうね。
もちろん、吉本だけがその扱いでは不公平ですので、すべての芸能事務所がそうなります。
俳優も、歌手も、ごく一部の選ばれた人たちだけが賃金を保証されて事務所に所属できることになります。チャンスを貰える人数は大幅に減ることでしょうし、運よくチャンスを得ても結果が出なければ長くは待ってもらえないでしょう。
芸能事務所だけが最低賃金を保証しなければいけないのも不公平です。
相撲界は関取にならなければ無給です。部屋が衣食住を提供しているとはいえ、無給など当然認められないでしょう。
幕下以下の者にも賃金を保証するとなると、力士数を大幅に減らさざるを得ません。ギュウギュウに書かれた番付表もスカスカになることでしょう。相撲界の未来を担う若い衆を激減せざるを得なくなり、相撲界の存続に関わる事態となるかもしれません。
プロ野球選手を夢見て頑張る独立リーガーたちも、残念ながらとばっちりを受けることになるでしょう。
独立リーグに最低賃金を払える体力などあるはずもなく、消滅するほかありません。
劇団も無くなりますね。最近は、舞台出身の味がある俳優さんが報われる時代になっていただけにとても残念です。
夢を追う個人事業主に、労働者としての権利を与えてしまうとどうなるか。
その環境を維持できず、夢を追う舞台が無くなってしまうケースが多くなることでしょう。夢を追う若者の道が閉ざされることになるのは寂しい限りです。
時流に乗ってるつもりかもしれませんが、その波を起こしている多数派が、自分たちのことを慮ってくれる賢明な人たちだなんて思わない方がいいです。
正しいことを言ってるように思えて、実は社会を閉塞に導いているだけかもしれません。
あとネットの声を気にしてる風見鶏芸能人ってTV映りがどれほど醜いかを気にした方がいいと思います。まるでヨブ・トリューニヒトみたいですよ。
