底辺ちゃんねる。

底辺住民の暮らしぶりと思考を晒します。

斜陽のアニメ業界をこのまま衰退させてはならないと想ふ。

世界におけるアメリカの影響力が低下している気がする。


2018年現在の世界において、米国の影響力が低下しているように感じるのは私だけではないでしょう。

世界が平準化してきたから?

価値観が多様化してきたから?

中国の影響力が増大してきたから?

そういったことも理由にあるのかもしれません。

ですが、ふと思うことがあるのです。

 

ハリウッド映画の影響力が低下しているからではないのか?

アメリカの音楽産業の影響力が低下しているからではないのか?

 

現在のネット社会において、かつての文化コンテンツの影響力は大きく低下しているように思います。

それも米国の影響力の低下の一因のようにも思えるのです。

ロッキーもランボーももういない。


かつてはハリウッド映画の中に、米国的な正義、価値観を具現化したようなヒーローがたくさん登場したように思えます。

彼ら銀幕のヒーローたちは、米国という国がどのような価値観を持ち、どのように行動するのか世界中に知らしめる役割を果たしていたように思えるのです。

日本をはじめとする西側諸国の多くの市民たちは、米国の文化をみて米国を信じ、米国を支持するのが是だと考えたのかもしれません。

ロッキー対ドラゴ。実にわかりやすいですね。

しかしながら、ネット社会の到来によってなのか、映画産業にかつてほどの輝きは見られなくなりました。

それと同じくして、各国の米国への不信感、そればかりか米国国民までもが自国に疑問を持ち、独善的で過剰な愛国主義者を大統領に選んでしまったというのは考えすぎなのでしょうか。

 

かくも文化産業とは政治や外交に意外なほどに大きな影響力を持つものなのかもしれません。

では日本の場合はどうなのでしょうか。

空前のインバウンド需要。


日本は決して観光立国などではありませんでした。

アジアで有名な観光国といえばタイなどでしょうか。日本は物価も高く、外国人旅行者にとって気軽に立ち寄れる国ではなかったのだと思います。

それが、失われた20年などと言われる近年は、世界的には大幅に所得も物価も上昇しているのに対し、日本は伸び悩んできました。

その結果として、かつては日本旅行が高嶺の花だった人たちでも、「日本の食事は滅茶苦茶安いぞ。」なんて言われて観光客が溢れかえるようになりました。

ネット上には「観光客なんぞいらん。帰れ。」なんて声もよく聞かれますが、現実にそんなことをしてしまうと、大阪の場合だと黒門市場や心斎橋、道頓堀周辺がシャッター街と化してしまうことでしょう。

その弊害を食らうのは我々日本国民ですよね。

 

そんな空前の観光客の増加に沸く現状ですが、その要因は相対的な物価の下落だけだとは思えません。

日本にかぶれ、日本に憧れ、日本を美化し支持してくれる。そんな人たちがたくさん来日しているようです。

ハリウッド映画が世界中に米国支持者を増やしたであろうと思われるのと同じように、知ってか知らずかはわかりませんが、日本はアニメによって「Weaboo」と呼ばれる日本かぶれの人たちをたくさん生み出していたようです。

Weabooが日本を救う?


Weabooが日本を救う!なんて言うとずいぶん大袈裟に聞こえます。

ですが、近年の景気の良くない日本において、貴重なインバウンド需要をもたらしてくれたのは事実です。

他にもいろいろ助けてくれるかもしれません。

例えばフランスです。フランスと言えばJAPAN EXPOが毎年開催されることで有名な国です。

もしかしたらWeabooの発祥国かもしれません。

 

そんなフランスの2輪レーサーのヨハン・ザルコ選手をご存知でしょうか。

フランス人である彼は、Moto2クラスにおいて、旭日旗デザインのヘルメットを被り活躍されています。

予想通り?ある方面からの抗議活動を受けたようですが、現在においても同デザインのものを被り、意に介さずという感じです。

「戦争の悪いイメージで捉える人が多いけど、そういう意図で使ってはいない。」というような言い分のようです。

日本人が言いたくても、立場上言いにくいことを代弁してくれています。

彼がWeabooか?と問われれば違うような気もしますが、心強い思いを抱かせてくれるのは確かです。

実は、2輪レースの世界で日本かぶれっぽいデザインのヘルメットは彼だけではありません。

以前からチラホラと見受けられます。

それは2輪レースの世界で活躍してきた全ての日本人関係者の努力の賜物なのではないでしょうか。

 

日本かぶれの方々が、日本のどこにかぶれているかは人それぞれです。

ですが、日本の立場を慮ってくれたりと日本の助けになってくれることは今後あるかもしれません。

大変残念なことに、日本は潜在的な敵国を多く抱えている国だと思いますから。

アニメ業界を衰退させてはならない。


世界の覇者たる米国の顔を価値観を、世界に紹介し続けてきたのはハリウッド映画でしょう。

例え望んでいなくとも、日本の文化、暮らし、食事、学校生活、日本人の価値観、あらゆるものを世界に紹介してきたのはアニメだと言えます。

私が幼いころ「アルプスの少女ハイジ」のパンやスープを食べてみたいと思ったのと同様に、日本のアニメを見た外国の方々がラーメンやカツ丼を食べてみたいと思うことは理解ができます。

お気に入りのアニメに登場する現地をめぐる、「聖地巡礼」なども盛んなようでインバウンド需要を盛り上げてくれます。

なによりも、ロッキーやランボーが米国の正義の代弁者だったように、日本のアニメファンは日本の、日本人の理解者となってくれているように思えます。

例えばです。日本と他国が係争状態となった時、日本車のオーナーだからという理由で日本を支持するとは考えにくいです。

ところが、日本のアニメオタクが日本の立場を代弁してくれることは充分にありえるような気がします。

 

国会のような場所からみれば、日本のアニメ産業の規模など微々たるものなのかもしれません。

ですが、その微々たる産業が生み出す副産物はあまりにも巨大です。

このことを本当に理解している日本人は少ないのではないでしょうか。

特に政治家や官僚はどうなのでしょう。

それに対して我が国の周辺国は…深く理解をして国家を挙げて武器として活用している。

そんな国もあるように思えます。10年後、20年後にどのような結果がもたらされているか。

恐ろしく思います。

 

アニメは、文化は、自国を表す名刺のようなものだと思います。決しておろそかにしてはならないと思うのです。