底辺ちゃんねる。

底辺住民の暮らしぶりと思考を晒します。

ドン・キホーテの好調ぶりに想ふ。

西友の買収を検討しているらしい。

20年くらい前だろうか。雑多ななんでも屋風のディスカウント店が話題になり始めたのは。狭い通路に、高い陳列棚。うず高く商品が積まれる手法は、圧縮陳列などと呼ばれるようになり、ドン・キホーテの専売特許と化した。不幸な事件、事故もあり、圧縮陳列は批判を浴びたが、現在においても手法と精神は生きている。だからこそ、他社との差別化が図れるのだと思う。

そんなドン・キホーテ西友の買収を検討しているらしい。また、渋谷に22階建ての複合施設ビルを建設すると発表したばかりだ。絶好調にも程がある。

かつて西友西武グループであり、当時のドン・キホーテはキワモノ的なディスカウントショップ。ドン・キホーテ西友を買収するかもしれない時代がくると誰が予想しただろうか。

そこには、ドン・キホーテの好調ぶりだけだはなく、日本の小売業、特にスーパーマーケットが低調であるということも一員なのかもしれない。だがそれでもドン・キホーテの好調なのは事実だ。何故こんなにも好調なのだろうか。

大阪でのドンキ

ドン・キホーテの関西進出は、今から17年ほどさかのぼる。大阪南部だと狭山店が最初だったように思う。当初は私が見た限りでは、客足が鈍いように感じた。関西での知名度は低く、関西ウォーカーなどのタウン誌での広告効果次第に思えた。

2005年、関西での旗艦店舗といえる道頓堀店がオープン。これが関西での成功を決定づけたように思う。最も目立つ場所にド派手にオープンしたことで、知名度とその魅力を広めることに成功したように思う。ここから、関西での出店ペースも上がったように見える。大阪のど真ん中で大観覧車を回すことにより、関西中の店舗に金も回るようになったのでしょうか。

観光客の心もワシ掴み

日本を訪問する観光客数は増加の一途をたどる。訪日観光客が求めるモノは、自国にはない日本的なモノである。日本の歴史や伝統文化に触れたい人。今風のポップカルチャーサブカルチャーに触れたい人。訪日理由はさまざまであっても求めるものは決まっている。

自国にはない日本独自のものを求めている。

実は、訪日外国人にお金を落としてもらいたければ、手法は割と簡単だと言える。

「こんなモノおたくの国にはないでしょ。ちょっと変わってるでしょ。」

インパクトのある新鮮で目新しくちょっと変わったものを売ればいい。そしてそれがちょっと日本的であれば尚更良い。

喜ぶべきかは微妙であるが、近年においては、日本という国自体が「ちょっと変わった国」と見られているフシがある。ちょっと変わった国を体験しようと訪日する外国人は少なくないと思われる。いかにも現代日本的で、ちょっと変った自国にないものを観光客たちは探し彷徨っている。そんなちょっと変わった国で買えるちょっと変わっていてちょっと日本的な商品の代表格が、

キットカット抹茶味だ。

ちょっと変わった国で、いかにも現代日本的な変わったお店の代表格が、

まさにドン・キホーテだ。

自分たちが何故に訪日観光客の心を掴むことが出来るのかについてはとっくにお気づきで最大限に自己がもつイメージを生かしているようにみえる。大阪における道頓堀店の開店についてもそうだが、やはりイメージに投資をすることは大変有効に思える。そこは多くの日本企業が最も苦手にしている分野なのではないだろうか。

多くの日本企業がイメージ戦略を得意とするようになり、プレミアムな商品、唯一無二の商品をたくさん輩出できるようになることを願います。

お姉ちゃんにバッグや時計をねだられたときに、イタリア製だのスイス製ではなく、堂々と日本製品を贈れるようになったらいいですよね。