底辺ちゃんねる。

底辺住民の暮らしぶりと思考を晒します。

大谷翔平のトミージョン手術不可避報道に想ふ。

三か月ぶりの登板を喜ばしく思ったが…。


teihenchannel.hatenablog.com

去る九月二日に、約三か月ぶりの復帰登板を果たした大谷翔平選手。わたしも非常に嬉しくて、当ブログに思うところを書きました。

ところが、喜びも束の間、肘に新たな損傷個所が見つかり、どうやらトミージョン手術が避けられない情勢となってしまったようです。トミージョン手術に成功し、MLBに復帰できる確率は80%くらいだと言われています。80%の確率で、問題なく復帰できるが、20%の確率で復帰を断たれてしまうというのが現実のようです。わたしたちは成功例ばかりを目にしてきました。当然のことです。手術の成功者のプレーを見ることは出来るが、失敗者は私たちの眼前から去ってしまい見ることが出来ないのですから。20%という確率は非常にリスキーに感じます。現在までに日本人投手も多く手術を受けて来ましたが、勇気を称賛するとともに、不安との戦いを慮ってしまいます。

とはいえ、すぐに手術に踏み切るということはなさそうです。今シーズンはDHとして集中してプレーする。シーズンオフに手術を受けるかどうかということになりそうです。わたしに出来ることは、祈ることくらいしかなさそうです。

なぜ肘の故障が発生してしまうのか。


アメリカにおいて、日本人投手が故障したときの決まり文句があります。

「日本の投手は、高校野球を中心としたアマチュア時代からの球数が過多である。」

耳にタコが出来るほどに聞かされてきたフレーズです。ところが注目度が桁違いに高い大谷選手の場合に限って、このような声が聞かれません。アメリカのマスコミも周知なのでしょう。大谷選手ほど球数を投げずに認められた投手は過去に例がありません。

大谷選手の学生時代は、急激に身長が伸び、骨格が成長する途上であったことから、本格的なピッチングをすることは殆どなかったようです。練習においてもあまりなかったようです。強豪花巻東高校時代には、チーム内でも特別な能力を持った投手であることは明白なのに、外野のポジションにつくことも多かったようです。甲子園には2年生の夏、3年生の春と2度の出場。いずれも初戦で敗れており、高校三年間で甲子園で投げたイニング数は、たったの14イニングにしかなりません。プロ入り後も、投手と野手を兼任する特殊さ故に、大事にされ、両方の練習量を多選手以上に行うことはできず、結果的に肩肘への負担は小さくなったものと思われます。日本人投手だから、過酷な球数を投げてきたからという理屈は大谷選手に限っては通用しません。それになにより、幼い頃から負担をかけないように、故障をしないようにと大事にされてきた米国の投手たちが、大勢故障で戦列から外れていくのは何故なのでしょうか。

そして大谷選手こそが、現在のMLBにおいて、最も大事にされ、ハレモノのように起用されてきた投手です。球数のせいにするのは無理があるように思います。

原因を考えてみる。


投手の故障は日本でも米国でもあります。統計を取った訳ではないのでわたしの主観に過ぎませんが、米国のほうがトミージョン手術は多く行われているように思います。もちろん、日本では手術をしないケースでも、米国では積極的に手術を行っているというのはあるかと思います。それでも、日本に対して投手の球数を制限しなさいと言ってくるわりには故障者が多く、偉そうなことをいう権利がないように見えるのですが…。

球数に最大限の注意を払っているはずの米国において、なぜに投手の故障が多いのか考えてみます。

まずは、大谷選手の場合ですが、ポテンシャルが大きすぎて、身体が許容出来なかったということはあるのかもしれません。速い球を投げられるからこそ、大きな負担がかかってしまったということです。

そしてよく言われるローテーションの問題です。もちろん負担を軽減するためには登板間隔は長ければ長い程良いでしょう。しかし、大谷選手はその点で優遇されていました。そして故障をするのは先発投手のみではありません。ブルペン陣も同じように故障をします。

登板間隔や球数、疲労の蓄積など様々な要因があるかとは思うのですが、ひとつ決定的な原因と呼べるものがあるような気がします。

日米のボールの違いに原因がある?


日本と米国では、硬式球に大きな違いがあるとよく言われます。米国のボールは少しだけ大きく、縫い目が低くて滑りやすい。国際試合などで、日本の投手陣がボールに合わずに苦労するのは見慣れた光景になりました。

この米国製の滑るボールこそが投手に大きな負担を与える原因なのではないかと、近年言われるようになってきました。ボールが滑りやすいので強めに握らなければならない。強く握った状態で腕を強く振るということが、肩肘に大きな負担がかかると言われるのです。実はこの米国製のボールこそが、投手に大きな負担を強いり故障の原因になっているような気がしてなりません。MLBにて日本製のボールを試用してみる。それが投手の故障の防止につながれば安いものだと思うのですが、やるは難しの典型例でしょう。米国には野球宗主国としての誇りがあります。ボールはローリングスであるべきで、決してミズノのボールなど使えないと思います。

それでも、日本のボールを使ってみて、故障が減るのであれば考慮すべきです。メーカーはローリングスのままで問題ないでしょう。ミズノのマネをするなり教えてもらうなりすれば良いです。

投手の平均球速は格段に上がっています。高校野球でも、140キロ以上の球を投げる投手がチーム内に何人もいることも珍しくなくなりました。MLBでは170キロに届こうかという投手が現れるようになりました。投手の身体にかかる負担は増すばかりで、故障者も増加の一途を辿っています。

MLBには是非とも日本製のボールを試していただきたい。効果があれば使用していただきたい。このまま投手の故障が続出するようなら、宗主国の誇りも何も野球の未来がなくなっちゃいますよ。